![]() | 流星ワゴン (講談社文庫) (2005/02) 重松 清 商品詳細を見る |
ひきこもり、暴力をふるう息子。浮気を重ねる妻。会社からはリストラ寸前……死を決意した37歳の僕は、死んだはずの父子が運転する不思議なワゴン車に乗り込んだ。
37歳・秋
「死んでもいい」と思っていた。
ある夜、不思議なワゴンに乗った。
そして――自分と同い歳の父と出逢った。
僕らは、友だちになれるだろうか?
28歳のときぼくは父親になり、父は「おじいちゃん」と呼ばれるようになった。親になってからの日々は、時間が重層的に流れる。小学5年生の長女を見ていると、小学5年生の頃の自分を思いだし、その頃の父のことも思い出す。少しずつ、昔の父のことがわかってきた。こどもの頃はあれほどおっかなかった太い腕が、じつは決して太くはなかったんだとも気づいた。長生きしてほしい、なんて口に出すのは嫌だから、ぼくは父親と家庭の物語を紡ぐ。――(重松清)
ブレイブストーリーの大人版と言ったところでしょうか。現実を”変えたい”と思っていても実際には、変える事はむづかしく、それを乗越える「勇気」をもらうところなんかそっくりです。でも、「勇気」をもらう過程は、ぜんぜん違います。そこは、重松清の「世界観」満載です。泣かせます、泣かせます。特に息子のいるお父さん必読です。電車の中で読まないように。