![]() | Nのために (2010/01/27) 湊 かなえ 商品詳細を見る |
「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。
物語は、事件のはじまりからそれぞれの事情聴取という形でスタートします。これは『告白』からのパターンです。事件と10年後を行き来しながらそれぞれの告白がはじまり事件の真相へと近づいていきます。ひとたびページをめくれば最後までノンストップで読まずにはいられない筆力はさすがです。それぞれのNが、それぞれのNのために行動した事が、最悪の結果を導いてしまった。読後の後味の悪さも継承してます。
タグ:ミステリー