![]() | 告白 (2008/08/05) 湊 かなえ 商品詳細を見る |
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
中学校の終業式の日。一年生のあるクラスでの、女性の教師・森口悠子の生徒たちへの退職の挨拶。それが、『愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。』という衝撃の告白。そして、犯人とされたクラスの生徒2名へ背筋も凍りつく、衝撃的な第一章のラスト。第一章だけでここまでの衝撃。
この後どうなるのか?一気に読みきってしまいました。
そして、第二章殉教者、第三章慈愛者、第四章求道者、第五章信望者、クライマックスの第六章伝道者へとつづきます。
第六章では、第一章以上のクライマックスが用意されています。
教師・森口悠子より加害者少年の携帯電話へタイトル通り衝撃の「告白」がなされるのです。決してあと味の良いラストではありません。が、十三歳の少年犯罪の処罰の現実。自分の子供は、永久に帰らないのに、加害者少年には、数年後に約束されている社会復帰の現実、を思うと、この母の衝撃の復讐劇は、必然だったのかもしれません。
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